骨盤と股関節

骨盤・股関節の動き

 

骨盤は座った状態では、坐骨(座る骨)が固定されているので大きな動ではなく、数ミリ程度の小さな動きになります。

 

立った状態では少しわかりやすくて、反る(後傾)、前屈み(前傾)、側屈(片方が挙上すると片方は下制)、ねじり(回旋)が行われます。

 

これら骨盤の小さい動きは、股関節・膝関節・脊柱に連動しておこります。

 

骨盤の小さな動きが何かしらの原因で制御されてしまうと全身でカバーするので、どこかしらに負担がかかります。

 

逆に、全身のどこか一部がロックされると、骨盤にも負担がかかります。骨盤が治療に万能というわけではありませんが、

 

連鎖して動くために骨盤が良好に保つことができれば、とても運動が楽になります。

 

例:一歩足を出す動きは足関節背屈(反らす)、膝関節伸展(伸ばす)、股関節屈曲(曲げる)骨盤後傾(反る)、腰椎後弯(反る)

 

骨盤が構成する関節は、第五腰椎と仙骨の腰仙関節、仙骨と腸骨の仙腸関節、恥骨同士の関節恥骨結合、そして股関節です。

 

これらは全て重要ですが、もっとも重力がかかるのが、股関節です。

 

股関節は膝関節とも深いかかわりがあり、膝関節が硬くなると股関節にダメージが来ます。

 

これは大腿四頭筋とハムストリングスが2関節筋という股関節と膝関節という2つの関節をまたぐという関係から影響しています。

 

大きな筋肉でもある大腿四頭筋とハムストリングス(大腿二頭筋と半腱半膜様筋)を柔軟にしていることで股関節症・膝関節症はもちろん、

 

骨盤の動きや腰の状態も楽になります。

 

股関節を曲げる:膝関節を曲げていると楽に曲がる

 

股関節を伸ばす:膝関節を伸ばしていると楽に曲がる

 

股関節に関わる23もの筋肉で、最も重要と言われるインナーマッスルが腸腰筋です。

 

この腸腰筋は大腰筋小腰筋腸骨筋3つの筋肉の総称で、普段は関節を固定する役割ですが、

 

股関節の屈曲角度が90度を超えると腸腰筋のみが屈曲に作用します。

 

腰が丸まっている人は腸腰筋が硬くなって作用しづらくなっているので、腸腰筋をストレッチする必要があります。

 

股関節は前後方向や外側の動きをすることがよくあります。

 

ですが、内側に力を入れることが少ないため、内転筋群が弱ることが多く、

 

トレーニングでは内転筋群を鍛えることが脚腰の動きが楽になるポイントです。

 

骨盤・股関節の検査

 

股関節が曲がりにくいのを調べるテストに「トーマステスト」があります。

 

股関節の屈曲可動域は約125度です。

 

これを基準に、テストします。

 

仰向けに寝て両足をぴたっと床に着けた時に腰が浮いてしまう場合、股関節の拘縮の可能性があります。

 

そのまま片方の股関節を膝を曲げながら屈曲していくと、

 

もう一方の股関節も屈曲についていってしまう場合はそのついていった股関節は拘縮しています。

 

股関節が拘縮しているということは、関節そのものが硬いか、腸腰筋が硬いか、

 

あるいは両方かを考える必要がありますが、ほとんどの場合は関節も筋肉も固くなっているので、

 

両方へアプローチする整体を行います。

 

さらに当院では硬い側の股関節だけでなく、左右均等になるように整体していきます。

 

股関節の硬さが骨盤を傾けてしまうことがあります。

 

色々なパターンがありますが、骨盤が前傾している出っ尻タイプと後傾しているへっぴり腰タイプです。

 

ともに腰痛を引き起こしやすいので、腰痛の患者様は股関節と骨盤の状態を必ず確認します。

 

後傾前傾を立っている時座っている時で比べたり、

 

立つ座る動作の中で骨盤股関節の動きができているなども大事なチェックポイントです。

 

重心が収まる骨盤と骨盤に相互関係にある股関節は必ず見落としてはならない部分なのです。

 

 

骨盤・股関節の疾患

 

変形股関節症・臼蓋形成不全・鼠径部痛症候群・股関節唇損傷・大腿骨頚部骨折・大腿骨頭すべり症・インピンジメント症候群など数多く疾患がありますが、

 

罹患するのは圧倒時に女性が多いです。

 

骨盤の形状が男性よりも広く、重心線から股関節までの幅が広いためです。

 

さて、よく耳にする変形股関節症には加齢や肥満、股関節に過度の負担がかかるスポーツや職業による一次性のものと、

 

先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全などの二次性のものがあります。

 

(ペルテス病・大腿骨頭すべり症・股関節唇損傷なども)

 

整体では一次性のものが適応になりますが、二次性のものでも副次的に筋肉の疲労回復には有効な場合があります。

 

①股関節症

 

一般に股関節が変形することによって痛みが出て初めて股関節症となるのですが、

 

臼蓋が浅くなっている状態は股関節症の対応しておく方がいいです。

 

初期段階では軟骨がすり減ってきて関節の遊び(隙間)が減って動くと痛みを感じてきます。

 

進行期に入るとさらに軟骨が減って動作痛だけでなく安静時にも痛みを感じるようになります。

 

その後骨棘や骨嚢胞などの増えてくるので、手術も考慮していかないといけません。

 

関節軟骨自体は痛みを感じないのですが、滑膜に炎症が起きることで痛みを感じます。

 

そこからかばうように筋肉疲労や腰痛などに広がっていきます。

 

当院では、整体だけでなく姿勢や歩き方立ち方などの指導で股関節に負担がかからないようにしていきます。

 

②臼蓋形成不全

 

臼蓋形成不全は変形する前段階にあたります。

 

大腿骨がうまく骨盤の臼蓋にはまらないケースですが、骨盤側に原因があります。

 

当院では股関節牽引法なを行い改善していきます。

 

③鼠径部症候群(グロインペイン症候群)

 

鼠径部症候群(グロインペイン症候群)が特に多いのはサッカー選手です。

 

脚の最大筋力を使うスポーツなので、起こりやすいです。

 

痛む場所は鼠径部のみならず、下腹部・上前腸骨棘・内転筋付着部・睾丸後方などに発痛することもあります。

 

当院では筋膜ストレッチなどを行い高い改善率となっています。

 

④股関節唇損傷

 

股関節唇損傷は深く腰を落とす動作で股関節屈曲角度が強くなる時に起こりやすいです。

 

スポーツでいうサッカー・野球の捕手内野手・新体操・エアロビスク・スピードスケートなどが挙げられます。

 

⑤大腿骨頚部骨折

 

大腿骨頚部骨折は、骨粗鬆症の方や高齢者が転倒した際に大転子という大腿骨の出っ張り部分を強打して、

 

その介達外力によりくびれた部分が折れてしまう骨折で、

 

自然治癒力での回復は難しく、ガンマネイルというネジで骨折部分を繋いだり、人工骨頭手術を行ったりします。

 

高齢者の場合、寝たきりになり脳の老化や内臓の機能不全も2次的に起こりえますので、予防が大切です。

 

参考:高齢者の4大骨折は脊椎圧迫骨折(第12胸椎や第一腰椎に多い)、橈骨遠位端骨折(コ―レス骨折)、上腕骨頚部骨折、そして大腿骨頚部骨折です。

 

いずれも直接の外力ではなく、力点から離れて支点となる部位に外力が加わり骨折に至ります。

 

⑥大腿骨頭すべり症

 

大腿骨頭すべり症は10代前半の男子に多い病気で、成長している骨は骨端線という成長なん骨の一部があり、

 

この骨端線が後方へずれてしまうことです。

 

肥満気味の子供に多くホルモンバランスの影響もあると言われています。

 

⑦インピンジメント症候群

 

インピンジメント症候群はひっかかりのことで、股関節のみならず肩関節にも起こります。

 

股関節の場合は関節唇や臼蓋の不形成で起こることがあります。

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