腰痛の治療について~一般的な区分~

大きく分けて手術と手術をしない保存療法があります。

保存療法には

①安静:腰の負担を無くすように静かに安らぐこと

②理学療法:自動的または他動的に身体を動かしたり、

物理的な力(温熱・

電気・牽引)を加えることで機能回復を図る。

体操やマッサージ、低周波治療器、ストレッチ、腰椎牽引療法、ホットパック温熱療法など。

③装具療法:コルセット、サラシ固定。足底板・マウスピースなども使われることがある。

④薬物療法:消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、循環改善剤、症状に応じて精神安定剤やビタミン剤など。

一般に多いのは痛み止めや湿布です。

⑤神経ブロック:内服薬で効果がない時や手術前につかわれる麻酔的な特殊薬物療法。

硬膜外ブロックや神経根ブロックなど熟練した技術が必要。

当院で行う整体法は②の理学療法に位置づけされます。

基本的に手で行うものですので物理的な作用です。

ですが、目に見えない意識の(形而上的)作用も重要と考えています。

気持ちの籠った整体を何より大事にしています。

・手術~椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・腰椎すべり症~

①腰椎椎間板ヘルニアの手術

手術を要するケースは全体の10%位と思われます。

即手術例は排尿障害や膀胱直腸障害などの明らかな神経障害のケースです。

また下肢の著しい筋力低下やじっとしていても痛むしびれなどの神経症状も手術が必要となります。

波のある症状については自覚された段階で診断治療を受けるべきですが、

その後悪化するようなら手術も視野に入れる必要があります。

ヘルニアの場合髄核の圧迫を取り除く手術になります。

1.PLLD手術(経皮的レーザー椎間板減圧術):椎間板に中心まで針を刺して、ハリからレーザーを照射して髄核を焼いて蒸発させます。

15分くらいのオペ。一泊二日の入院で日帰りも可能。費用は50万円位。

2.PELD(経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘除術):直径7ミリくらいの内視鏡で減るにはを摘出します。30分位のオペ。健康保険が適応可能で、入院は3泊4日くらいです。

3.ラブ法(椎間板切除術):腰を5センチくらい切開して椎弓の一部を切り取り穴をあけます。

その穴からヘルニア部分を摘出します。摘出後筋肉靭帯皮膚などを元に戻します。

約一時間くらいのオペで約20日くらいで退院。健康保険適応可能。

②腰部脊柱管狭窄症の手術

脊柱管狭窄症は下肢痛、間欠性跛行、ひどくなると排尿障害などを起こし生活に支障を来します。

椎弓切除術:手術は5センチほど切開して、腰椎の椎弓の一部を筋肉とともに取り除き、黄色靭帯も切除します。

減圧を確認して閉創します。

時間は90分位です。

保険適応可。

入院は2週間くらいです。

即現場復帰というわけにはいかず、様子を見ながら2か月から3か月様子をみながら仕事に復帰していくのが良いです。

③腰椎すべり症の手術

ずれている腰椎の位置を修正して上下の腰椎をネジで固定する手術です。入院は一か月くらい。

腰痛と職業

・デスクワークと腰痛と座り方

事務仕事デスクワークでは肩こりと同じくらい多くの人が腰痛に悩んでいます。

長時間同じ姿勢で座っているからです。

イスに座って机に向かう姿勢は、腰椎の椎間板内の内圧を高くします。

そして腰の前弯(生理的弯曲)が失われて、より椎間板の内圧が悪い方向からかかってしまうのです。

予防として、背中にクッションのような腰の骨にそった形のものをあてがい、生理的湾曲を維持するようにします。

皮膚にフィットすることで筋肉が休まりやすく疲れも少ないです。

位置的に湾曲が一番強くなる第三腰椎と第四腰椎のあたりに(臍よりやや低め)きっちりあてがうようにしましょう。

骨盤は引き気味で仙骨が背もたれに当るくらいがいいでしょう。

この状態ですと、歩いている時と同じような前弯が得られるので椎間板への負担も軽減されます。

座り方のポイント

①深く腰掛ける

②背筋を伸ばし、適度に腰の前弯を保つ

③股関節・膝関節・足関節は約90度くらいになるように高さを調整する

④前かがみの姿勢は腰椎に負荷がかかる(背もたれがないイス・低い机などNG)

⑤机と目の距離は30センチくらい

⑥座布団も緩い傾斜のあるものがよい

・主婦業と腰痛~中腰を避ける工夫~

お掃除・お片付け・お洗濯・お料理・洗い物に育児と家の中を隅から隅まで動き回る忙しさは腰に負担がかかりがち。

主に中腰になる姿勢が多いので、気付けば慢性腰痛やぎっくり腰になることもしばしば。

中腰にならないように、腰を曲げようとしないで、脚から曲げるように心掛けるといいです。

冷蔵庫のものを取る時や掃除機などを使う時は膝立の状態になる。

調理場や流し台での洗い物などは、5㎝から10㎝くらいの踏み台に片足を置いて疲れた足を代えてみる。

など腰を曲げるのではなく、足を曲げるように意識するとかなり楽です。

もちろん高い所のものを取る時などは、反ったり、無理な背伸びなどしないで、踏み台を使ってください。

余裕のあるところで伸びるのと、無理して伸びるのとでは全く運動効果が違い、何より無理は大けがにつながります。

・車の運転と腰痛~小刻みな動きが有効~

自動車は自分の空間を保ったまま移動ができるので、とても気楽で私自身はほとんど移動は車です。

短距離なので、それほど辛くないのですが、昔この仕事につく以前、

30歳前後で腰痛だったころは1時間も運転していると腰が辛くなってきていました。

現在では腰痛はありませんし、あることを意識してからは東京まで6時間半ノンストップでも腰が痛くなりません。

それは運転しながらでも、小刻みに動くことです。

じっとしているから腰の筋肉が硬くなり、動き始め等に疼痛を感じてしまうのです(初動作痛)。

運転しているので、大きく足を動かしたり、腰を反らしたりはできませんが、小刻みに動かすことでかなり腰は楽になります。

意識するのは骨盤です、左右の骨盤を交互に動かすイメージで揺すると足も冷えにくかったりで冷え性にも効果的です。

あと腰がシートにフィットしているかも大事です。

座席の位置・高さなど自分に最適な状態を見つけたら、腰と背もたれの間に空間があれば、

クッションやバックレストなければバスタオルなどを丸めて置いてみると楽になります。

乗り降りも手でシートを支えて手から動くようにしてみましょう。

その他の注意事項

①シートの角度は120度くらい

②硬めの背もたれ

③座面もやわらかすぎない

④ハンドルは軽く肘が曲がるくらいの位置

・妊婦と腰痛

妊婦の腰痛は、おなかが前に突き出して重心が前に移動し、腰に負担がかかるため起こります。

体重の増加、腰椎の圧迫、骨盤の広がり歪みなどが徐々に進行していくのである程度は身体が慣れていくのですが、

初産の時など初めての経験ばかりで不安などあったり、二人目でも育児しながらの妊活も精神的にも体力的にも大変です。

ですので、周りがいたわるようにすることが妊婦さんにとってもとても勇気づけられ、気持ちも休まります。

体型的な変化以外に、妊娠中は各種のホルモンの代謝が活発になります。

その中に「リラキシン」とう黄体ホルモンがあり、これは妊娠中絶えず分泌され続けてます。

リラキシンはコラーゲン組織である靭帯を弛緩させる働きがあるので、

骨盤の関節である仙腸関節や恥骨結合の靭帯も緩ませようとするので、

腰やお尻あたりに痛みが出ることがあります。

リラキシンは心身第40週ごろから大量に出始めて、産道を確保する縦に骨盤を緩めます。

私ごとではありますが、妻は一人目の長男の出産の際に切迫早産で安静を強いられました。

それほど腰痛もなく、無事出産できました。

次男はすでに産道ができているため長男の時以上に切迫早産でした。

妊娠6か月くらいには、もう入院するしかなくなり、

枚方市の関西医大病院では2か月半病院のベッドで寝たきりの生活でした。

24時間ウメテリンの点滴を投与しづつけるので、妻の腕は注射針で膨れ上がり、刺すところがなくなるくらいになりました。

クリスマスもお正月もその年はずっと妻一人で夜をすごし、

私は仕事、長男は居残り保育とおばあちゃんに見てもらいつつ、

家族が分されて過ごすこととなり、皆それぞれに大変寂しい時期だったかもしれません。

そして、年が明けて、一週間過ぎた頃点滴をはずしてすぐに、次男が誕生しました。

もちろん立ち会いました。

産れて直ぐの次男は仮死状態ですぐにスタッフが人工呼吸処置をしてくれて、無事元気な産声をあげてくれました。

一人目とは違う感動があり、やっとまた家族一緒に夜を過ごせるとうれし泣きしていました。

産後と腰痛につづく。

・産後と腰痛~産後の骨盤矯正~

当然産後は骨盤が広がります。

広がるのは坐骨結節というところの幅が広がり、恥骨結合の部分も介達的に引き裂かれる力がかかります。

これにより、骨盤の底にある骨盤底筋肉群が伸ばされてしまい筋肉が収縮しにくくなり、

尿漏れや生理不順・生理痛など骨盤内臓器の機能が衰えてくることがあります。

筋力をつけるにも、産後は激しい運動は避けるべきですし、歪んだ骨盤のままの運動は、より歪みを助長してしまいます。

まずゆがみを正して、動きやすく、骨盤内臓器の環境を整えた状態で体操やストレッチをしましょう。

当院では骨盤を整えるだけでなく、筋肉状態を元に戻すまでサポートしていきます。

私ごとの続き:次男が生まれて2週間は嫁は経過良好でした。

ですが、2か月半も寝た切りでしたので、歩けないのです。

歩けないというより2本の足で立てません。

退院まで歩行器でなんとか過ごしていました。

当然腰にも負担がかかり、腰から下は筋肉痛と浮腫で苦しみました。

産後ゆえにあまり無理なマッサージなどできません。

そもそも筋肉が衰えているのですから、運動して筋力をつけるしかありません。

揉むというよりもこういう時は循環を良くしていくことを意識して擦るようにそして微振動で身体を楽にしていきます。
(ご希望の方はお知らせ下さい)

これにより筋力の回復も浮腫の軽減も早まっていきました。

いまでは何もだれも腰に痛いを訴える人はいませんが、

あの時思い出すと家族が増えた喜び以外にも、妻の体力回復を願い、周りへ感謝深めたのでした。

またこういう人の身体について良くしたりするのを考えるお仕事をしていてよかったなと思いました。

・スポーツと腰痛~多いのは捻り痛と反らし痛~

スポーツ障害はそれこそ選手の数だけあるといっていいくらい無数にあります。

同じ腰痛でも微妙に違っていたりで、複雑です。

突発的な怪我はありすぎるので、代表的な腰痛として、2種類お話ししたいと思います。

①捻ると痛い腰痛

日常生活の動きとスポーツ動作との違いに「ねじる」のがあります。

人間は強い力を出そうすると回転運動を利用します。

普段はそんなに思いっきり動くことはありませんから、腰椎椎間関節はねじられることはあまりないです。

ですが、スポーツの場合は筋力の最大出力を要求される場面が多いで、ねじる力が必要となってきます。

例えばほうきで掃く動作ではそんなにねじりませんが、

ゴルフでドライバーをスイングするときや野球でバットを振るという動作は腰の捻りだけでもそうとうな回転を要します。

歩くと走るとでは、手と足の振り巾が倍以上違うので、

右手が一番前時に左脚が一番後ろにあり、右上半身と左下半身が反対方向を向いているので、

歩行時にはあり得ない位に骨盤から腰椎にかけてねじれがきつくなります。

このねじれによる痛みの治療は腰だけの問題でなく、骨盤や肋骨も深く関係していきます。

②後ろにそらすと痛い腰痛

ジャンプ系のスポーツに多いのですが、のけぞる動作は高さを出すために必要です。

腰を丸めたままジャンプしても高く飛べません。

ただ飛ぶだけでなく、最高地点でバレーボールならスパイクしたりテニスならサーブしたりバスケットボールならシュートしたり繰り返します。

よりつよいボール・より遠くに飛ばすようにトレーニングしていくと腰の骨の後ろに圧がかかり、

腰椎の椎弓という部分が折れてしまうことがしばしばあります。

この状態がレントゲン撮影でわかるとスコッチテリアの首輪といい、腰椎分離症と診断されます。

腰の骨が折れるのですから、相当痛いたい感じですが、痛いながらもプレーができたりするのです。

腰椎分離症が進むと腰椎の上下の位置が離れていって腰椎すべり症となります。

これでもプレーしている人はいますが、ここまで行くと当然回復が遅くなってきます。

分離症すべり症ともに離れた椎弓の分を脊柱起立筋という筋肉がカバーするので、

筋肉への負担が腰痛を引き起こし、筋肉自体も硬くなってしまうので、治りが遅くなるのです。

残念ながら折れた椎弓は自然にはくっ付きませんが、ある程度炎症が治まってから筋肉をほぐして、

腰椎を元の状態へ近づけてあげると楽になります。

農家・畜産業者と腰痛

大阪では少ないですが、農業や畜産業に携わる人は慢性的に腰痛の方が多いです。

(寝屋川市に牛を飼っているところが私の子供の頃ありました。母方の実家である守口市の祖父母宅は牛を飼っていて逃げたら村のみんなで探しに行ったそうです)

基本的にエサやりや苗植え、田植え、耕すなど前傾姿勢が長時間続くので後ろの筋肉が突っ張った状態になり、

高齢になってくると腰が曲がり切ってしまいます(腰椎後弯症)。

ないより生き物相手ですので、休みがないです。

私の祖母も木の芽を摘む仕事をずっと続けていたので、かなり腰が丸くなっていました。

時折膝に手を付いて歩ているのを見て、孫の私が腰をさするととても嬉しそうに「ありがとうよ」を笑顔で応えてくれたのが忘れられません。

子供の手は柔らかく触れるだけで気持ちいいものです。

そして孫は可愛いものなので、より心地よかったのでしょう。

あなたに農家畜産業者の祖父母がいるのなら是非柔らかい手でさすってみてあげて下さい。

その手は技術よりも、もっと大事な気持ちがこもっているのできっと、笑顔が生まれると思います。

・重労働・寒冷地作業と腰痛~身体の使い方・温め方~

重いものを持ったり運んだりする人は当然腰に負担がかかります。

建設現場での資材運搬、長距離トラックでの荷物の積み下ろし、

引っ越し作業、宅配便、酒屋さん、介護など10キロ以上の重いものを持ち上げる時は、

腰に注意しながら動かしましょう。

まずは、荷物に身体を近づけましょう。

次に片膝をついて前屈みにならないように腰を落とします。

膝の付いた側の足先は外がわやや斜めに向ける。

荷物は小指薬指中指で持ち人差し指と親指は広げるのがいいです。

腹筋背筋を締めて臍下三寸丹田に意識を向けて踵で蹴るように持ち上げると軽く上がります。

持ち上げてからも荷物は身体に密着して運びます。

これらは最近注目されている古武術の動きを利用した力の使い方です。

関西・大阪は凍るような寒さはないかもしれませんが、

コンクリートの倉庫やマンション建築の高層階になると室内・平地と比べて相当冷たいので、血流が悪くに筋肉が固まりやすいです。

使い捨てカイロが効果的です。

貼る場所は腰だけでなく、背中第6胸椎あたりとおへそあたり、3つくらい腰痛の人は貼るといいです。

・医療従事者(看護師ナース・クラーク・歯科衛生士)・介護ヘルパーの腰痛~意外に腰痛が多い職場~

高齢者や寝たきりの患者さん、絶対安静のクライアント、妊婦、生後間もない赤ちゃん病院や介護施設で過ごす人たちの方は、

自分で起き上がったり着替えなどができないことがあります。

そういった人たちのケアはかなり力が必要で腰の負担もかなりのものです。

その為、看護師をはじめ医療従事者・介護職員の人たちは腰痛が多いです。(私の整体師の仲間も自分の身体は後回しで、結構腰痛持ちの先生が多いです。)

仕事の姿勢が中腰だったり捻った状態だったり、慎重に触る為緊張する場面もあったりと、

同じ重さのものでも、荷物と人の身体は取り扱いに神経の使い方が違ってきて当然です。

さらにやさしく対応しているつもりでも、相手に痛い思いをさせてしまったり、

不規則な時間勤務で身体の調子が回復していきにくかったりと、ストレスなども大きく関係してきます。

当院にもナースのお仕事をされている方もたくさん来られていて、「勤め先では診てもらいにくい」とこぼされていたりもしています。
(もし診てもらって治らなかった場合気まずくなるでしょうね)

患者さんや利用者さんがいるまであからさまに屈伸運動や伸脚などはできないので、

トイレに行ったときは思い切りストレッチしてみるのもいいでしょう。

基本的に中腰の体勢が多いと思われますので、一旦腰を反らしてから曲げるようなストレッチが良いでしょう。

あとは足を曲げて手を膝に置いて肩を交互にいれる運動なども効果的です。

・体型と腰痛~太った人・背の高い人・痩せてる人~

肥満の人が腰痛になる理由が、体重が重たいからが一番ですが、

お腹が出ている分腰椎の前弯が強くなって、普通に立っているだけでも反った状態です。

腹筋群も伸びきったような状態なので締まりにくいというのもあります。

まずは減量の為の運動療法やダイエットをしていきましょう。

背の高い人も腰痛になりやすいです。

背が高いと下にあるものを取る動作でもついつい腰を曲げてしまったり、

高さを気にするために前屈みになりやすいです。

少し前屈みなるだけでも角度がついて重力も高くなります。骨や筋肉を縮めないように極力ストレッチなどで伸ばしましょう。

痩せている人の腰痛は筋力不足と血行が悪いことが挙げられます。

力を入れようにも筋肉が細いと入りません。

また寒がりな場合が多いのは、細い分血管が外気温に影響を受けやすく血流が悪くなりやすいです。

やはり運動をしっかりして、栄養価の高い食べ物を取って筋肉をつけましょう。

腰痛の原因と種類

 

 

 ・腰痛の原因となるもの意外なもの

腰椎・筋肉・靱帯・神経とほとんどの方が腰を構成するそのものがよくないので、

腰痛となるわけですが、これらの対応は整体は得意分野です。

これ以外に、内臓疾患が原因で腰痛になる人もいます。

胃炎・腎炎・脾臓の炎症・尿路結石・腹部大動脈瘤・子宮内膜症・癌などです。

これらは症状が腰痛だけにとどまらず、

血尿や腹部痛など複合して自覚症状がでてきますので、

専門の消化器科、泌尿器科、婦人科などでご診察頂くことになります。

腰回りの筋肉をほぐしても良くならず、内臓に異常もない場合、

精神的なものが原因で腰痛を引き起こしている場合もあります。

うつ病・心身症・総合失調症・ストレスなどが腰の違和感を起こしている状態です。

この場合は痛い場所が移動することが多く、患者様の訴えもいろいろです。

ストレスが強い方には、整体法よりもリラクゼーション系が効果的な場合があります。

具体的には自律神経系に働きかける施術を当院では行うようにしています。

心理的な影響で元々ある腰痛がさらに悪化することはあります。

病院巡りをしてずっと原因不明で、毎朝起きるたびに激痛に耐えながら、

ストレスのある仕事場で力仕事などという悪循環ができあがってしまうと、

気持ちも折れて痛みで寝ることもできなくなる人もいるくらいです。

こうなった場合は、長期休養も視野に入れて、

感情を一度開放する、旅行などに出かけて気分転換も時には必要です。

・大腿や下腿・足部まで痛くなったりする腰痛について

腰だけでなく、お尻や足も痛いししびれもあり、長時間の歩けないなど、

下肢にまで症状が出ていてこちらの方が気になる腰痛があります。

これらは、神経症状として考えられるものです。

腰椎部分の神経圧迫や血流障害が下肢痛を引き起こしているのものを上げると、

・椎間板ヘルニア:前屈したり足を上げたりすると片方に痛みがしびれがでる

・腰部脊柱管狭窄症:歩いているとだんだん足がしびれてきて、

休むと楽になるのを繰り返す。

腰が反るとつらい。

・腰椎すべり症:腰を反る姿勢が辛い

などが挙げられます。

坐骨神経痛はお尻辺りからでる坐骨神経という部分の圧迫で

神経支配されている太ももやふくらはぎのしびれなどが症状です。

場所的には腰というよりもお尻の位置となります。

直接的ではありませんが、坐骨神経は人体で最も大きい神経ですので、

腰痛とも関連があります。

これは後ほど詳しく説明していきます。

・椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症

治療を受けると決まったら、自分でどのタイプの腰痛か判断してみて下さい。

下肢痛があるかないかの判断は簡単と思います。

腰だけか腰と大腿・下腿・足部にも痛みが及んでいるかです。

原因はいろいろありますが、長時間長期間悪い姿勢で、

腰痛を我慢していると腰だけでなく、範囲が広がることが多いです。

悪い姿勢は神経根まで圧迫してしびれを起こしやすいのです。

このような場合治療行く前に家庭では、

膝枕をして軽く下肢を曲げて突っ張りを無くすような状態を維持しながら、

安静にしておくとよいでしょう。

もちろん、良い姿勢を意識したり、

動けそうなら軽いストレッチやウォーミング、コルセットなども考慮に入れて下さい。

下肢痛がある場合腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。

椎間板は20歳を過ぎたあたりから徐々に衰えてきます。

弾力の無くなった椎間板はクッションの役割が果たせず神経や靭帯を圧迫して痛みやしびれ、

さらには麻痺まで起こしてしまうことがあります。

(ヘルニアの意味ですが、ドイツ語で飛び出すという意味です。椎間板以外に、脚の付け根から腸が出てくる鼠径ヘルニア、ヘソがでる臍ヘルニアなどがあります。)

椎間板ヘルニア以外にしびれを引き起こす病気に腰部脊柱管狭窄症があります。

どちらも確定診断はMRIを受けてされますが、症状としてはっきりわかるものです。

腰部脊柱管狭窄症は、中高年から高齢者老人に良く起こります。

呼んで字の如く、脊柱の管が狭くなる病気なのですが、腰部以外にもなりえます。

狭くなると中を通る脊髄が圧迫されるので、

その神経支配の腰や下肢に痛みなどが出てきます。

脊柱管狭窄症の特徴として、じっとしていると比較的にしびれなどはなくなって、

歩き出すとしびれが辛くて動けなくなり、また休むと元に戻るというものです。

これを間欠性跛行と呼びます。

腰を反ると症状が強くなり、前屈みになると軽減するので、

歩いていてもしゃがむと圧迫が緩み血流も回復するので、ましになるのです。

これら腰部椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の理学療法として、

腰椎牽引療法があります。

多くの整形外科で行われていますが、効果はまちまちですし、

気持ちいいのですが、症状の軽減には持続性が少ないのが現状です。

・急性腰痛と慢性腰痛

急性腰痛ははっきり原因や瞬間がわかるもの。

慢性腰痛は時期がはっきりせず、じわじわ重だるい痛さのようなものが続きます。

これもどっちの場合も気になったらすぐに治療を受けましょう。

急性もじっと動かないで安静にしていては治りが遅いです。

可能ならその日にご予約ください。

空きがあれば、当日でも受付可能です。

また慢性も様子を見るといっていては、切りがないので早めに通院して下さい。

温めたり冷やしたりはこれも議論がありますが、急性慢性問わず気持ちいい方をしましょう。

冷湿布に冷却効果はありません。

冷たく感じるだけです。

温湿布も温熱効果はありません。

温かく感じるだけです。

その冷たく・温かくの感じが痛みを紛らわしているのが湿布の効用です。

あとあまり柔らかい布団はよくありません。

よけいに骨がずれて筋肉に負担がかかるからです。

慢性腰痛ならウォーミングや水泳、ストレッチ柔軟体操など、

急性腰痛なら、寝返り、や膝倒し、深呼吸など、

やはり動きながら治していくのが良いでしょう。

・腰痛のわかりやすい分け方~前屈みと反らす~

あなたの腰痛は前にかがむと痛くなりますか?

それとも、後ろにそらすと痛くなりますか?

腰痛は前屈タイプと後屈タイプに大きく分けることができます。

もちろん、両方の腰痛もありますし、じっとしていても痛いタイプもありますし、

捻ったり側屈したりして痛いタイプもあります。

ですがほとんど場合前屈か後屈での痛みを伴い、どちらかの方がやりにくいです。

前か後ろかの判別を付けて、

その他の要素を考慮しながら治していく方が闇雲に過ごすよりも、回復がずっと早いです。

前屈タイプの腰痛は腰を前に曲げすぎた状態が長い、

あるいは前屈姿勢で力を入れることで発症します。

デスクワーク・長時間の車の運転・子守育児・掃除や洗い物などの家事など

日常では前屈みの状態で過ごすことが多いので、

腰の筋肉が引き伸ばされて疲労を起こします。

前屈タイプの腰痛は筋肉が疲労を起こした患者様が多くなります。

後屈タイプは、腰を後ろにそらした時に痛くなる人です。

あまり腰を反らすということはありませんが、

寝返りの時起き上がる動作などが日常ではあります。

高齢者になってくると腰椎のみならず、脊柱の変形が進んで来て、

背骨が丸く前傾状態になっているので、当然反らすことが窮屈になります。

またスポーツ選手や昔猛練習していた元スポーツ選手も反らして痛くなることが多いです。

全身にそらす姿勢や動作は、

身体にとってストレッチ効果がありプラスに働くことが普通ですが、

競技者アスリートとして、

上を目指すライバルに勝つ限界まで挑戦するくらいに追い込むと、

逆効果になることがあります。

多くのトップアスリートが腰痛に悩まされている時は、

後屈タイプの腰痛が多いです。

腰痛克服ための正しい知識~腰の構造~

背骨のS字について

「腰」という字は筋肉の要と書きます。それだけ重要な箇所ということです。

腰のしくみを理解して、腰痛を改善しましょう。

姿勢は脊椎のS字カーブによってバランスを保っています。

この脊椎は一般に背骨と言われて26個の骨が、首から尾骨までつながっています。

・上から頸椎が7個

・胸椎が12個

・腰椎が5個

・仙椎

・尾椎(3~5個で人により違う)

と一連のものなので、離れた首の影響が腰に及ぼすことも、その逆の尾骨が首に影響することもあり得ます。

その為、整体では腰が痛いからといって、腰だけでなく全体をみていくことが重要になります。

通常生活していく上で真直ぐな状態だと、重力の衝撃を緩衝できないので、

脊椎や横から見たところS字にカーブしています。

これにより、バランスをとって身体を立てることが可能になっています。

・頸椎は前に出っ張り前弯

・胸椎は後ろに出っ張り後弯

・腰椎は前弯

・仙椎尾椎は後弯

首の部分骨、頚椎は真直ぐになりやすく、その状態をストレートネックといいます。

胸椎は逆に丸まりやすく、円背・亀背、俗に猫背になりやすいです。

また胸椎は横にも曲がりやすく、側彎症といわれて、左側に曲がることが多いです。

仙椎尾椎は個体としてはほぼ後弯のままですが、骨盤としてのゆがみが現れるので、

整体的にはとても難しくもあり、重要な箇所でもあります。

そして、腰椎に関しては過前弯(反りすぎ)にもストレートにも横のゆがみも縦軸のねじれもなりえるので、

そう言う意味でも腰痛の患者様が多いといえるのです。

脊椎の椎骨と椎間板について

脊椎は椎という文字にあるように、椎骨という骨の積み重ねです。

その椎骨の間にあるということで椎間板という柔らかいものがクッションの役割をしています。

それら椎骨のつながりは靭帯とたくさんの筋肉が支えることで成り立っています。

椎骨はお腹側を椎体といい、一般に触って背骨と言われる背中側の椎体は棘突起と言われる部分です。

椎体の複雑な構造が上手く体のバランスを整えているのですが、

ある部分が折れたり、狭くなったりして腰痛になります。

椎骨と椎骨を結びつけるのは靭帯です。

靭帯には前縦靭帯、後縦靭帯、黄色靭帯、棘間靭帯などがあります。

これらの靭帯が硬くなると神経を圧迫して腰痛を引き起こします。

背骨と骨盤はヨットに例えると

船体が骨盤で、

マストが脊柱になり、

マストを張るロープが筋肉に例えられます。

帆は腹腔胸腔で呼吸により膨らんだりするのです。

椎間板は椎骨の間でクッションになりますが、

年齢やハードな動きなどで変化して弾力が失ったり、断裂したりします。

クッションになるので構造はとても弾力のあるものです。

椎間板の内部構造は髄核というゼリー状態のものがあり、

髄核のまわりを繊維倫、天井と底面に軟骨板で覆われています。

特に髄核は椎間板の中を移動して、脊椎にかかる圧力を分散する役割があります。

成長するまでは血管ありますが、大人になるとこの椎間板には血管がなくなります。

また神経も椎間板にはありませんが、まわりに靭帯には知覚神経が多数あり腰痛の人はここで痛みを感じます。

年齢的に20歳くらいまではみずみずしいのですが、

20歳を過ぎると徐々に水分が減りはじめ、

30歳を過ぎると繊維輪の水分も減ってきて髄核のクッション性も落ちてきます。

背が縮むのはこの椎間板の厚みが減っていくことが原因の一つになります。

椎間板は常に圧力がかかっている。

立っている状態の椎間板の内圧を100とすると

・仰向けに寝ている時は25

・片足に重心を移すと移した側は120

・椅子に座っている時は140

・咳・緊張感・笑う時は150

・前屈みで座った時は200

・10キロくらいの荷物をもっている時220

など

動き・状態によって椎間板への負担がかなり変わってきます。

そして負担の場所も前屈みだと、髄核が後ろに移動するので、

後ろにある後縦靭帯へ負担がかかることになります。

この状態が続くと後縦靭帯は緊張して硬くなり腰痛の原因となり、

進行していくと神経を圧迫する椎間板ヘルニアを発症します。

これらの予防については後ほど詳しく記載したいと思いますし、

当院でも個人に合わせたセフルケアをご指導させていただきます。

脊椎の中にある脊髄について

脊椎は背骨となり、脊柱管という空間の管を形成し、

その脊柱管の中に最も重要な脊髄という中枢神経が治まっています。

脊髄は首から下の各部分の知覚と運動を支配しています。

脊髄は脳から続いているもので、脳と同じ中枢神経です。

脊髄はおおよそ第二腰椎位までで、その先は馬の尻尾のように枝分かれしていているので、

馬尾神経と呼ばれています。

この馬尾神経はお尻や下肢の運動・知覚を支配して、内臓では排泄・排尿・排便を調整する神経です。

腰から始まる馬尾神経が腰痛の為不具合を起こすと、

おトイレにも支障を来すことになるということも覚えておきましょう。

さて脊髄は中枢神経なのでそこから末梢神経が伸びています。

前側の前根は運動を支配する運動神経が、

後ろ側の後根からは知覚を支配する知覚神経が左右対になって枝分かれしています。

この前根と後根は脊髄を出て枝分かれした後、また一緒になって神経根という一まとまりになり、

椎間孔という脊椎の隙間から外に出ていきます。

腰では第一腰椎の下から順に第5腰椎下の椎間孔からそれぞれ左右一対づつ、計5対の神経根が出ています。

さらにこの神経根は後枝・反回枝と呼ばれれる細い神経に分かれていて、痛みを伝達しているのです。

これらの細い神経はいろいろなネットワークを形成しているので痛みの特定が難しくなっています。

レントゲンで異常がないのに、腰痛で悩まれることはこのような理由もあります。

そして、体重負荷がかかりやすく、枝分かれも多く、出口孔がおおいということを理解していくと腰痛という性質も

徐々にご理解いただけていけるのではないでしょうか?

脊髄についてもう1点説明しておきたいことがあります。

それは脊髄を包む膜のことです。

くも膜下出血という脳出血の病気はご存知だと思います。

このくも膜は脊髄を包む膜の一つです。

脊髄は外側から硬膜・くも膜・軟膜と3層になって覆われています。

くも膜と軟膜の間に脳脊髄液という透明な体液が満たされていて、

脳と脊髄に栄養を送っているとても重要な体液です。

交通事故などでこの脳脊髄液がわずかな隙間から漏れてしまい、

脳脊髄液減少症とよばれ頭痛、不眠やめまい、倦怠感・記憶障害などに悩まされることもあります。

腰痛といえば筋肉痛がまず思い浮ぶ~腰の筋肉~

安定感ある状態を腰椎である為には、バランスのよい筋肉が必要です。

重力に逆らって姿勢を保つために働く筋肉を抗重力筋といいます。

この抗重力筋には、下腿三頭筋、大腿四頭筋、大殿筋、脊柱起立筋、腹筋などがあります。

抗重力筋の図

腰痛になっている人は全ての抗重力筋に対して硬結や収縮力の弱さ、筋のゆがみ、

筋膜の癒着などを考慮して治療していかないといけません。

どこか一つの筋肉に負担がかかることで、バランスが崩れかばい合い、

脊椎のS字カーブにゆがみが出てくるのです。

また、インナーマッスルと呼ばれる深層筋は骨をきっちり固定させて安定させる役割があり、

腰には大腰筋小腰筋というインナーマッスルがあります。

当院においては、この大腰筋小腰筋に腸骨筋(腸腰筋)を合わせてアプローチしていくことで、

長年取れなかった腰痛が劇的に軽減しています。

この整体方法については後述させてもらいます。

腹腔を構成する筋肉

よく腹筋と背筋を鍛えることで腰痛予防をすることを言われます。

解剖学的に腹筋は腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋になります。

背筋は脊柱起立筋である腰腸筋と最長筋主に2つです。(腰方形筋・広背筋も含めることもある)

前面の腹筋群・後面の背筋群そしてその2面に上辺の横隔膜と底面の骨盤底筋群これわ4面で腹腔を形成します。

腹腔はお腹の空洞で、風船のような状態です。

腰痛になるとこの腹腔の内圧が崩れて縦長が押しつぶれるようになり、

左右横に、前後にと内圧がかかってしまいます。

このような中から腰が痛くなるような状態は、腹腔のバランスが悪くなっているのです。

脊椎の姿勢を良くしているのは腹腔の内圧なども重要なのです。